2025/04/05 19:12
先日、とあるコンペで「エスプリVエンボス」という紙を取り寄せました。
真ん中の「V」の読みかたは、そのまま「ブイ!」です。ファイブではありません。
コンペとは、お客様が印刷物を制作するため、各社に声をかけて、企画案やデザイン案を募る競争案件のことです。
デザインサンプルを作製するために、実際に使用する紙を取り寄せました。
取り寄せたのは、エスプリVエンボスの中で「ストライプ」と「ヘリンボン」という2種類の柄です。
エスプリVエンボスは、平和紙業さんが作っているファンシーペーパーで、(ファンシーペーパーという名前がかわいいですね)
8種類も柄があって、ユニークな用紙です。
表面にでこぼこした加工が入っていて、見た目にも違いがわかります。
色は全部白色ですが、模様の柄で和風な感じがしたり、スマートな感じがしたり、印象が全然違います。
写真でわかりますでしょうか。
ストライプは、まっすぐなでこぼこが細かく整然とならんでいます。
かっこいいです。

ヘリンボンは、ものすごく細かいヘリンボン柄が全面に加工されています。
めちゃくちゃ細かいです。

正直、言われないとヘリンボン柄とは気づきません。
商品名を見て「え!? ……、あ!そういうこと?」という感じです。
なにも考えずに見ると普通にストライプ柄です。
それでも、ずっと見ていると目が馴染んできて、「こいつがヘリンボンだな」という気持ちに落ち着きます。
それにしても、どうやってこんなに細かい模様を入れるのか、その加工技術に驚きます。
少し検索してみましたが、その技術の秘密はわかりませんでした。
デザインサンプルを制作するために、ストライプのほうは使い切りましたが、結局、ヘリンボンはそのまま残りました。
こうして、在庫紙がまた一つ誕生しました。
枚数は菊四切サイズで50枚くらい。
菊四切サイズはA3より一回り大きいくらいなので、仮にA4サイズの冊子の表紙にすると、1枚1冊分なので、50冊分のイメージです。
しかし、本当に作るなら、印刷・製本のためのロスも出るので、50冊分も作れません。
じつは、紙の目(繊維の方向性)が違うのも3分の2くらい入っているので、実際に使えるのはもっと少ないです。
(もったいないので、残してもらいました)
そもそも特殊な紙なので、この紙を選ばれるお客様はほとどいません。
ということで、この用紙は何年もうちの倉庫で眠り続けることになります……。
ちょっと! それはもったいないぞ!!
ということで、この紙を使ってノートをつくればいいんじゃないの!?
という気持ちで、たなぼた紙工房が動き出します。
わー、どどどど!!
(窪田)