2026/10/02 18:00
糸かがり綴じの“糸”はただの木綿糸ではありません。
製本屋が日常的に指定するのは「30番手3本撚り」や「40番手2本撚り」。
番手は太さ、撚り数は毛羽立ちと柔軟性を司ります。
3本撚りはページ数の多い上製本向けで、
背に貼る寒冷紗へしっかり食い込みます。
薄冊子なら2本撚りで十分。
さらに糸には“ロウ引き”を施し、
摩擦熱で溶けたロウが紙繊維へ染み込むことで、
ページを開閉しても伸びきらないコシを獲得。
ロウが多過ぎるとボンドの浸透を阻害するため、
職人は撚りをほぐし指でしごいて余分を落とす──
そんな一手間が当たり前に挟まります。
糸一本が、本の寿命を左右しているわけです。

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